野口英世といえば現在の
千円札でもおなじみの人物。

細菌学者として世界的な功績を
数多く挙げてきた研究者です。

ノーベル賞候補になること実に三度。

明治から昭和にかけて医学界に
大きな足跡を残した紛れもない
“天才”でしょうね。

しかし、その実像は派手にお金を
使いまくって借金を繰り返すまさに
「借金の天才」。

お札の肖像になっている人物とは
思えないような破天荒なエピソードが
数多く残されています。




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賃上げ交渉で援助GET

放蕩の末に家賃が払えなくなって
下宿を追われた英世。

高山高等歯科医学院(現・東京歯科大)
で講師をしていた血脇守之助を頼って
同学校の寄宿舎に転がり込みます。

もうこの時点ですでに
ダメダメですが。

そんな英世がさらにドイツ語を
勉強するための学費を血脇に
無心します。

下宿を世話してもらっておいて
さらに学費の援助まで頼むとは
本当に厚かましいですね。

まぁ当時、世界の医学をリード
していたのはドイツですから
ドイツ語の習得は必須だった
ということもあるでしょう。

しかし、安月給だった血脇は
英世からのこの頼みを断ります。

そこで一計を案じた英世は血脇に
院長と昇給交渉をさせ見事、
昇給に成功させます。

こうして英世も学費を援助してもらう
ことが叶ったのだそうです。

まぁしかし、世話になっている人物の
給与をアップさせて自分を援助させる
とは狡猾というか実にしたたかですね。

ちなみにこの血脇守之助という人物は
英世が幼い頃に負った大火傷を手術した
医師・渡部鼎の知人。

英世が医学を志すきっかけともなった
大恩人の知人ということになります。

そんな人に平気で寄生できる
神経の太さも常人離れしてますね。

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英世に改名

当時、細菌学の権威・北里柴三郎が
所長を務める伝染病研究所で
通訳などの仕事をしていた英世。

当時の人気作家・坪内逍遥の
「当世書生気質」という小説中に
口八丁で借金を重ね放蕩生活を送る
「野々口精作」なる人物が登場する
ことに衝撃を受けます。

じつは英世の当時の名前は「清作」。

偶然とはいえ名前から素行まで
自分とソックリ。

これでは自分がモデルになっていると
周囲から勘違いされることを恐れて
改名することを決断。

高等小学校の恩師である小林先生より
「英世」という名前をつけて
もらいます。

まぁしかし改名するより自分の堕落した
実生活を正すほうが建設的だと思います
けどね。

そうしてつけてもらった「英世」という
名前ですが、本人は仕事上で使用する
だけに留めずに、戸籍上の本名まで
変えてしまっています。

本来であれば、「小説の登場人物と
名前が被っているから」という理由では
役所は改名を許可してくれません。

そこで、自分の実家の近隣から
「清作」という名前の人物を探し出し、
別の「野口」という家に養子縁組を
してもらったうえで役所に「野口清作が
近所にもう一人いるから改名したい」
と正当な理由を作り出した
のだそうです。

そこまでして改名するとはよほど小説と
混同されたくなかったのでしょうね。

「英世」という名前の誕生秘話にまで
その素行の悪さが絡んでいるのは
なんとも呆れる話ですね。

ちなみに前出の勤務先だった
伝染病研究所では借りた蔵書を
勝手に売却したことが発覚して
クビになっています。

もうこの人本当にダメ人間ですね。

留学資金を散財

米国への留学することになった英世。

前述の小林先生から200円、斎藤ます子
という女性と婚約し、その結納金300円
合計500円の留学資金を作ります。

当時の500円というと現在の価値にして
約1,000万円にも相当する大金です。

こんな大金を手にしてしまった英世は
予想を裏切らないダメっぷりを発揮。

そのほとんどを芸者遊びで
使い果たしてしまいます。

落語にでも登場しそうな
ダメ人間ですね。

付き合いの長い血脇守之助でも
事の顛末を聞いたときにはさすがに
絶句したのだとか。

失ったのはただのあぶく銭ではなく
本人のための留学資金ですからね。

しかし、彼の可能性を信じていた
血脇は高利貸しから300円を
借りて英世に渡します。

血脇にとっては人生で
初の借金だったのだとか。

ここで見捨てられていたら今日まで残る
野口英世の功績はなかったかも
しれませんね。

この血脇の厚意に対してはさすがに
英世も涙したのだそうです。

まぁしかし、その涙もどこへやら
留学後も英世の浪費癖は直ることは
なかったそうですが。

さらに留学後、婚約した斎藤ます子の
家から結婚の催促をされた英世。

端から留学資金が目当てで進めた
縁談だったため英世はこの話を
破談にしようと画策。

これはもう完全な結婚詐欺ですね。

「研究のため帰国できない」と
言い続けたことで結局、縁談は
破談となり、結納金300円もやはり
血脇が工面して返済しています。

借金や女遊びに留まらず
結婚詐欺まで。

偉人・野口英世のイメージが完全崩壊。

一方でここまでダメな英世を献身的に
支えた血脇守之助の先見性こそ
ノーベル賞ものですね。

ちなみに血脇は歯科医師として日本の
歯科医療に尽力し、東京歯科大学の
創立者の一人として名を残しています。

浪費癖は遺伝?

じつは英世の父・佐代助も
酒好きで怠け者。

その放蕩のせいで家が貧しかった
とも言われています。

そんな父のダメっぷりを反面教師に
することなく、そのまま受け継いで
しまったのですね。

その一方で働き者だった母のシカは
農業の傍ら産婆としても活躍。

生涯で取り上げたお産は
2,000件近かったのだとか。

また、産婆に国家資格が必要になった
際には文字の読み書きができなかった
ため、お寺で一から読み書きを教わる
ことで資格を取っています。

こうしてみると英世は父親の浪費癖と
母親の勤勉さの両方を受け継いだのかも
しれませんね。

細菌学者として世界に名を残す一方で
知人や友人から借金を重ねて放蕩三昧
していた野口英世。

偉人としてその功績ばかりに焦点が
当てられがちですが、彼の実像を
描いてみるのは案外コメディーとして
楽しめそうですね。

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