かつて米国CIAの幹部として活躍した
ハロルドジェームズ・ニコルソン。

昇進した彼はCIAの諜報部員を育成する
ための訓練施設で講師まで務めて
いました。

しかし1996年、ロシアに機密情報を
売り渡したとして逮捕・起訴され
有罪となります。

CIAを揺るがすような
身内の不祥事。

優秀な諜報員だった彼に
一体なにがあったのでしょうか。




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家庭のトラブル

ニコルソンは米軍の諜報部にも
所属していたことがあり、そこでも
指揮官を務めるなど非常に優秀な
人物でした。

CIAに移ってからも諜報活動を
専門とするオペレーションオフィサー
として活躍。

かつてはフィリピン・タイ・ルーマニア
そして東京でも勤務していました。

まさに“世界を股にかける男”ですね。

それだけ世界中で仕事を任せられた
ということはCIA内部での信頼も
厚かったということでしょう。

その後は次長を任され、さらに
CIA本部で支部長にまで昇進。

トントン拍子ですね。

傍から見ればまさに出世街道を
まっしぐらの“勝ち組”だった
でしょう。

しかし、仕事は順風満帆であった一方で
家庭内は決して穏やかではなかった
ニコルソン。

世界中を飛び回っていただけに
家を空けることも多かったのでしょう。

そうして出張している間に
妻との離婚も成立したのだとか。

いわば出世と引き換えに妻を失った
ということでしょうか。

その妻との間には三人の子供が
いましたが、親権はニコルソンの
ものとなります。

子供まで失わなかったのは父親としては
よかったのかもしれませんが、
三人の子供の養育費と妻への慰謝料が
ニコルソンを経済的に追い詰めて
いきました。

のちに証言したところでも子供たちの
ために30万ドルを受け取って、ロシアへ
情報を流していたのだそうです。

もしかしたら養育費と慰謝料という
プライベートなトラブルでできた
心の隙間を逆にロシア側に
利用されたのかもしれませんね。

ちなみにニコルソンはロシアに駐留する
CIAの諜報員の身元とCIAの訓練施設で
指導した研修生の名簿を売り渡して
いたとのこと。

こんな情報を晒されたらロシアにいる
諜報員は命すら危うくなりますよね。

しかも逮捕されたのはバージニアの
空港でスイスのチューリッヒへ
出国しようとしていたところでした。

その手荷物からはCIAの機密データの
ほか、文書を写した写真なども
押収されました。

危うく水際でさらなる機密情報の
漏洩が防げたわけですね。

裁判で有罪判決を受けたニコルソンは
捜査への全面協力により終身刑または
死刑だったところを減免され、1997年に
懲役23年7ヶ月の判決が下りました。

減免がなければ終身刑か死刑って、
犯した罪の重さを物語っていますね。

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事件は終わっていなかった

有罪判決が下り刑務所で
服役していたニコルソン。

これで二重スパイ事件も幕引きか
と思いきや、じつはまだ終わって
いませんでした。

収監中、今度は息子のナサニエルを
通じてロシア当局から47,000ドルもの
大金を受け取っていました。

これは以前に情報を売った分の
謝礼だったようです。

これにより今度は息子のナサニエルも
逮捕され、ニコルソンも再逮捕。

供述によればナサニエルは
ロシア領事館に何度も出入りしており
父親の逮捕や捜査情報についても
漏らしていたようです。

またいいようにロシアに利用されて
しまった感じですね。

こうして親子ともども外国政府への
内通およびマネーロンダリングを
行った罪で起訴されました。

再びの裁判でニコルソンはもう8年
刑期が追加され、ナサニエルは
捜査協力するという司法取引により
執行猶予5年という刑が確定しました。

そもそもが息子たちのために犯罪を
犯したようなものなのに、今度は
その息子まで巻き込んで罪を重ねる
とは呆れてしまいますね。

じつは最初に逮捕され懲役刑が
確定した際に、
「12歳の息子のためになるべく
近くの刑務所にしてほしい」
という要望をCIAに伝えていた
ニコルソン。

CIA側もそうした事情を斟酌して
刑務所を選んだのだそうです。

しかし、その目的は息子のためだけ
ではなく元々ロシア側とのスパイ活動を
続けるうえで都合がよかったから
だったのだそうです。

もうこれは完全に救いがたい
売国奴ですね。

もはや息子たちを養育するための
二重スパイではなく、その息子たちをも
利用して二重スパイそのものが目的と
なっています。

かつては優秀なCIAの上級職員
だったはずなのですが。

歴史的な汚点

過去、CIAの幹部がスパイ容疑で
逮捕されたのはニコルソンが初。

CIA史上初の不名誉な歴史に
名を刻んでしまいましたね。

しかも一度ならず二度までも
祖国を裏切ったわけですから、
まさに恥の上塗り。

現在、コロラド州の刑務所に
服役中のニコルソン。

刑期が追加されたことで
出所は2024年の予定です。

ちなみに予定通りに出所してきた
ときにはニコルソンは74歳。

本当はCIAを定年退職して
老後に悠々自適な生活を送る
こともできたはずですが。

こんな事件を起こしては、おそらく
出所しても一生CIAにマークされる
でしょう。

かつてはCIAで華々しい出世街道を
歩んでいたニコルソン。

今、刑務所で何を思うのでしょうか。

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