2007年5月17日から翌日にかけて発生した
愛知長久手町立てこもり発砲事件。

元暴力団組員の男が拳銃を持って民家に
立てこもり死傷者まで出しました。

この事件では警察の特殊部隊SATの隊員が
亡くなっており、SAT創設以来初の
殉職者を出す事件ともなりました。




Sponsored Links

犯人について

この事件の犯人は元暴力団組員の
大林久人という男でした。

事件当時、別れた妻と復縁するため
息子と娘も交えて自宅で話し合いを
していたのだそうです。

しかし、話し合いがこじれたことで
激高した大林は拳銃を持ち出して
暴れ出します。

そもそもの別れた原因が妻へのDVだった
そうですので、元来キレやすい性質
だったのでしょうね。

それに自宅に拳銃があるということ
自体がすでに堅気じゃないですよね。

そうして息子が通報したことで
警察が駆けつけて、立てこもり事件へ
と発展していきます。

ちなみに最初に現場へ駆けつけた
巡査部長がまず撃たれ首を負傷。

次に息子と娘がそれぞれ腹部と右足を
撃たれて負傷しました。

この大林という男、もともとは
不動産関係の会社に勤めており、
その関係で暴力団とのつながりが
できたようです。

一時は岐阜県内を本拠地とする
暴力団の組員だったようですが、
のちに破門。

その後、事件を起こす20年ほど前に
親族や知人らと不動産会社を設立。

周囲からは「商才がある」という
ふうに見られていたのだそうです。

それなりに商売のできる人間だった
ということでしょうか。

しかし、この会社もほどなくして
バブルの煽りを受けて閉鎖。

事務所も人手に渡ったのだそうです。

これも運がなかったということなのか
それとも身の丈に合わない商売だった
ということなのでしょうか。

そんな大林は妻に対するDVを日常的に
繰り返しており、実家に帰った妻を
無理やり連れ戻すようなこともしていた
のだそうです。

典型的なDV男だったんですね。

ちなみに息子に対しても厳しい父親
だったそうで、その息子も数年前に
家を出て行ったのだそうです。

そして、ついには妻が警察に駆け込んで
保護を受けると、事件を起こす1年前に
離婚が成立します。

ここでスッパリ縁が切れていれば
事件も起こらなかったのでしょうけど
事件当日に“復縁”という話になった
のは妻にもその気があったという
ことなのでしょうか。

ちなみにこの大林は2001年に所有する
車が落書きされたとして保険金を
請求したものの、保険会社がこれに
応じなかったことに腹を立てて
脅迫し、逮捕されていました。

やはり前科があったのですね。

このほかにも大音量で音楽をかけたり、
大声で言い争いをする声が聞こえてくる
など近所からも敬遠される存在だった
のだとか。

まぁとにかくふだんからトラブルの
多い人物だったわけですね。

一方で少し変わった習慣を持っていた
そうで、“穢れ”や“邪”を嫌う
一種の信仰のようなものを持っていた
のだそうです。

決まった宗教を信仰していたわけでは
ないようですが、この習慣は筋金入り
だったようで、逮捕されたときにも
「神の水」と称して水の入った
ペットボトルを手に持っていた
のだとか。

もうだいぶ変わった人物ということが
うかがい知れますね。

裁判の結果

本事件の裁判では名古屋地検が死刑を
求刑したのに対し、一審では無期懲役。

検察・被告とも控訴した二審では
一審の判決を支持し、控訴を棄却。

最高裁まで争われましたが、
結局、一審の無期懲役のまま
刑が確定しました。

最高裁まで検察が粘ったのもやはり
SAT隊員の警察官が亡くなっている
ことへの弔い合戦だったのでしょうか。

ちなみに亡くなった隊員には
若い奥さんと生まれたばかりの
娘さんがいたのだそうです。

職業柄、こうしたこともある程度
覚悟していたでしょうけど、
なんともいたたまれませんね。

同隊員は殉職により2階級特進で
警部となり、警察勲功章と
旭日双光章が授与されました。

17051701

警察の対応に問題が?

この事件については警察の対応について
さまざまな問題が指摘されています。

まず、SATが突入していれば
早期解決できたのではないかという点。

欧米ではこういう事件の犯人は迷わず
射殺されるケースが多いですよね。

また、最初に撃たれた
巡査部長の救助が遅れたこと。

じつは撃たれてから救助されるまで
なんと5時間もかかっています。

巡査部長は外傷性クモ膜下出血などの
重傷を負っており、のちに半身不随の
後遺症が残ってしまったそうです。

もっと救助が早ければ・・・
ということが悔やまれますね。

ちなみにこの巡査部長の救出の際に
逆上した犯人が発砲した銃弾が狙撃に
備えていたSAT隊員に命中しました。

ちょうど命中した箇所が防弾チョッキの
つなぎ目で防弾効果のない部分だった
ことと、弾が大動脈を貫通したことが
災いしました。

不運が重なったんですね。

ただ、SATの早期突入については当時
マスコミなどが生中継するなど大々的に
報道しており、犯人にSATの動向が
悟られる危険があったとも
言われています。

また、現場宅には防犯センサーライト
のほか、庭や室内に飼い犬が複数いて
侵入しづらい環境でもありました。

悪条件が決断を鈍らせたんですね。

この事件以降、警察は防弾用備品や
安全確保の見直しを図り、また
特殊捜査班SITを増員するなど
対策を行いました。

死者1名・負傷者3名という被害を出した
愛知長久手町立てこもり発砲事件。

若くて優秀な警察官の死を無駄に
しないよう今後は十分な対策をして
任務に当たってもらたいですね。

スポンサードリンク