バングラデシュにあるチッタゴン
という街をご存知でしょうか?

この街は現在、役目を終えた船舶の
解体を請け負う「船の墓場」とも
呼ばれています。




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貴重な資源に

ここで解体された船舶の残骸はスクラップ
として売却され、現地の貴重な資源
となっています。

なんとバングラデシュの鋼材の
80%が船舶のスクラップなのだとか。

現地の需要のほとんどを賄っている
ということですね。

解体される船舶は90%がリサイクルされる
そうで、船体のみならず燃料やオイル、
計器類にいたるまで徹底して業者に
売り渡されるのだとか。

ここまで徹底していることから現地の
解体業者も相応の利益を得ている
ようです。

320px-Jafrabad_Chittagong_shipbreaking

解体の歴史

船舶の解体についてはかつては戦後、
日本が大きな役割を果たしてきました。

戦時中、世界各国で活躍した軍艦の多くが
日本に持ち込まれ、解体された
のだそうです。

敗戦国の日本が戦勝国の軍艦を
解体するというのもまた皮肉な話
ではありますが。

20世紀の終わりになるとこの船舶の解体は
インドやバングラデシュといった
発展途上国へと移っていきました。

人件費などのコストがかからない
国へシフトしていったんですね。

危険な解体作業

現在、この解体作業に当たっているのが
バングラデシュの各地から集まった
作業員となります。

彼らは貧困地帯から集まった
いわゆる出稼ぎ労働者。

特に専門の知識や経験を有している
わけではありません。

解体作業もアセチレンバーナーや
ハンマーなどを使っていわゆる
人海戦術で行われます。

一隻解体するにはおよそ
3~4カ月かかるのだとか。

こういった作業において、船内に溜まった
ガスにバーナーの火が引火したり、
鋼材が崩れて下敷きになるなど
作業員が事故に遭うこともしばしば。

作業員のなかには傷跡があったり、
指が欠損したり片目を失っている者まで
見受けられるといいますので、
過酷な作業であることが伺えます。

また船体に使用された水銀や鉛、
アスベストといった有害な化学物質
による健康被害や環境汚染も
深刻なのだそうです。

今後の課題

途上国における産業構造の中で
健康被害や環境汚染が起こることは
かつての日本も通ってきた道。

国が規制をかけたり、指導を行わなければ
改善は難しいでしょう。

ただ、この船舶の解体が外貨を獲得する
貴重な産業であることも事実で、
貧困地帯に住む人にとっても
貴重な雇用を生んでいます。

厳しい規制をかけることはむしろ
経済に悪影響を与えかねません。

やはりバングラデシュだけではなく、
船舶の解体を途上国に頼っている
先進国にも手を差し伸べる責任が
あるのかもしれません。

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